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その会議ほんとに必要?無駄な会議を減らし生産性の高い会議を運営するための傾向と対策

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【このページは2017/5/7に更新されました】

Meeting

会社に勤めていると、何かと多い会議。なんと人は一生で約3万時間を会議に費やすと言われています。3万時間は、年に換算するとおよそ8年。人生100年時代とはいえ、人生の8%を会議に費やしているかと思うとぞっとします。

私の会社も、例に漏れず会議がとても多いのですが、外国人社員が多かったり、早い意思決定が推奨されるという文化もあり、会議そのものは効率的に運営されているように感じています。そこで今回は、そもそも会議の不満はどこにあるのか、ということと、どのようにすれば効率的な会議が運営できるのかについて、実際の私の体験を交えて考えたいと思います。そもそも、なぜ会議に対して不満がたまるのでしょうか。

無駄な会議の傾向と対策

何も決まらない会議

会議が終わった後、誰もが呟く「あー、やっと会議が終わった。」の声。私も昔はそのうちの一人でした。そして多くの人は、会議室を出てから、活発に議論をしたり、談笑を始めたりします。そして誰もがこう思うのです。会議後に話すくらいなら会議中に話せよ!と。

「あれ、そもそもこの会議で何が決まったんだろう?まぁいいか、自分の仕事があるし・・・。」なんて思っていると、また一週間後に同じような定例会議が入っていたりします。そして次の会議でも、この前議論したような内容をもう一度話し始めます。

そう、これが皆さんの会社でもあるであろう、何も決まらない会議のエンドレスループです。

こうした会議の問題は、1点目は何を決めるつもりなのかを参加者の中で共有できていないこと、そして2点目は、むやみに定例化している、ということです。

何も決まらない会議への対策

何を決めるのかを参加者の中で共有するためには、会議の前、あるいは冒頭で議題を確認する必要があります。ここでいう議題とは、たとえば「最近の若者のビール離れについて」などといったテーマとしての表現ではありません。これはよくある失敗で、このような議題にすると、議論が発散してビール離れは幻想だとか、最近の若者は・・・なんていう話になりかねません。(よくある会議中の光景ですよね。)

ここでいう議題とは、決めなければいけない事項のことであり、たとえば「若者のビール離れに対し、いつどのような対策をするべきか」のように、5W1Hを中心に表現するべきなのです。議題をこのように設定することで、議論しなければいけない項目が明確になります。決めるべき項目がはっきりするということは、議論する必要がないことが明確になるということにもなり、関係のない話をしづらくする効果もあります。

そして2点目は、むやみな定例化の撲滅です。一度定例化してしまうと、不必要な理由を説明しないとキャンセルしづらくなり、全員が惰性で続けることになりかねません。私の会社でもよくあります。惰性になる前に、そもそもむやみな定例化を避けましょう。

ちなみに、私の会社では何も決まらなかった会議でも、最低でも「次回の会議までの宿題」として、誰が、いつまでに、何をするのかを決めてから解散するようにしています。これはかなり効果的で、次回の会議までに必ず進歩が生まれ、会議をした意味が明確になります。

まとめると、何も決まらない会議を避けるためには、次の3つに気をつけてみましょう。

  • 議題を5W1Hを中心にして表現する(〜についてという表現を避ける)
  • むやみな定例化を避ける
  • 何も決まらなかった場合は、次回までの宿題(誰がいつまでに何をするか)を設定する

 

噛み合わない議論

d.school tour

もう一つ、私の会社でよくある光景は、「質問に答えないおじさん達」です。これは結構厄介で、どんなに議題が明確になっていても会議が進みません。具体的には次のようなやり取りです。

 
自分
若者のビール離れについて、どのような対策を取れば良いとお考えですか
 
おじさん
最近、サントリーのプレミアムモルツが結構売れてるみたいだね。昔はスーパードライ派だったんだけどうちの家内も良く買ってくるようになったよ。(以下略)

などというように、ビールの話はしているものの、質問に答えていない答え方です。皆さんも経験ありませんか?

回答する時に、相手の質問にしっかり答えられない、というのは誰しもあることなのですが、ほとんどのおじさん達がこうして話をそらしてしまうと、そもそも議論が成り立ちません。こうした時は、議題と議論の見える化をしてみましょう。

噛み合わない議論の対策

人はそもそも忘れっぽい生き物。始めに議題の共有をしても、10分もすればみんな今日の会議で何を決めるべきかなんてことは忘れてしまいます。そのため、ホワイトボードを使って会議を見える化しましょう。

まずは、会議が始まったらホワイトボードに議題(決定すべき事項)を書き出し、全員に見える状態にしておきます。その後、発言があるたびに、ホワイトボードに書き出していきます。たとえば、若者のビール離れの対策としていくつかの案が出たら、それを議題の下に書いていくのです。そうすると、対策案以外の話はしづらくなり、対策案に絞った議論ができるようになります。

時々ホワイトボードに書き出しづらいような議論の場合もあります。そもそもホワイトボードに書き出しづらいような議論は、議論ができていない状態ですので、もう一度何が議題かを確認するようにしましょう。大きなテーマを扱っている時などは、決めるべき事項を細分化して、議論を分けるというのも手です。

会議が終わりに差し掛かったら、この会議で何が決まったのかという決定事項を、ホワイトボードに文章で書きましょう。こうすることで、決定事項を参加者全員で共有することができ、「あの会議でこんなこと話してないよ」といった後々のちゃぶ台返しも防ぐことができます。

そして、このようにホワイトボードに残すことで、写真を撮るだけで会議の議事録として利用することもできます。私の会社では、ホワイトボードの写真を議事録として使うことで、議事録を作成する時間を全社的に節約しています。

その会議ほんとに私必要?あの人何しに来たの?

そして最後は、「その会議、ほんとに私いく必要ある?」というパターン。それと同時に、「あの人何しに来たの?」ということもよくありますよね。

会議は何かを決める場なので、その決定事項に関連しない人たちを呼んでも仕方ありません。そして、集まって議論すべきこととそうではないことの切り分けをしっかりしましょう。そもそも一人で決めるべき案件なのに、ただ不安だからという理由で人を集めてしまっている場合もあります。そういう会議は、断固として慎みましょう。

私の会社ではよく言われますが、人数を半分に、時間を半分にしただけで4分の1の工数で良いことになります。こうするだけで、生産性が4倍にもなるのですから、皆さんも日頃の会議を少し見直してみてはいかがでしょうか。

会議の運営をしっかりすることで生産性が劇的に高まる

私も入社してすぐの頃は、日々たくさんある会議に参加するだけで、毎日参加することをとても無駄に感じていました。次第に自分が主催する会議が増えて来た頃に、会議をもっと効率よく運営することはできないのか?と考えて、いくつもの書籍を読み漁り、効率の良い会議運営を自分で試してきました。

私の経験上効果が高いと感じたのは、議題をしっかり書く(決定すべき事項は何か)ことと、会議の人数と時間をそれぞれ半分にすることでした。

今日の会議では何を決めるべきか、ということを意識することで、決めるためにはどんな情報が事前に必要で、どのような人が参加するべきか、ということを主体的に考えられるようになります。また、以前は何回も続けていた会議を、1回で終わらせられることも増えました。これは、むやみに定例化せず、「次がある」という意識を持たない仕組みに変えたからだと思います。

さらに、人数と時間を半分にすることで、私だけでなくチーム内に時間の余裕が生まれ、チームメンバーもむやみに会議を開催することが無くなりました。そして、少ない人数で会議運営することで一人一人の責任感が高まり、結果として質の高い意思決定を、より短い時間・人数でできるようになったと感じています。

皆さんも、自分の会社の会議がうまくいっていない、と感じている人は少しでも工夫の一歩を踏み出してみてください。きっと会議に出るのが、今より少し楽しみになるはずですよ。

ちなみに私が主に参考にしたのは次の書籍です。会議に悩んでいる新入社員の主人公の悩みと、それにアドバイスする父親との会話を通して、効率の良い会議の運営方法を学ぶことができます。小難しいツールやルールなどの小手先の技術ではなく、今ある会議を無理なく効率よく進めたい方にオススメできます。